ここ数日は,仕事の方が思うように行かず,神経質になっていた。新しい職場へ来てもうすぐで半年。人間関係や,雰囲気が分かってきて,慣れることから,そろそろ質の高い仕事をすることに転換せねばならないが,それがうまくいかない。
さまざまな人の言葉尻を,いちいち悲観的に捉えてしまって,言いようの無いプレッシャーを感じるし,依然将来に対する不安も拭えない。
私の仕事は,季節に左右されるところが大きく,夏は仕事においての重要度が高い。その大事な夏を自分は十分に活用できたかと,ふと振り返り,余計に不安な気持ちが募る。
今年は,急に気温が下がって,あっという間に秋がそこまできたような印象だ。まるで,夏に恋い焦がれる若者のように,この一夏のおわりに足掻こうと思うが,うまくいかない。
夏の終わりは,どこでも花火大会がやっていて,気晴らしに見に行ってきた。河川敷で行われた花火で,川沿いの土手に座って観たのだった。こういった風情で花見見物をするのは初めてである。帰り道,ふと立ち寄ったトイレに,会田みつをの「道」という作品が掛かっていた。月並みだが,今の私には響くものがあった。
花火を観て,帰り道に会田みつをの詩に感動したというだけの,何の変哲も無い,一夏の景色なのだけど,今の私にはとても重要な出来事のように思える。