日記#90

時間がなくて日記が書けていないのだけど、いろいろと本は読んでいたのでメモ。

Whiplash: How to Survive Our Faster Future Joi Ito(著)

9 principlesという題で、最近、和訳されたらしい。変化が目まぐるしい現代でどのように働き、学習していくか、一つの指針を示している。

生態学者・伊藤嘉昭伝 ― もっとも基礎的なことがもっとも役に立つ 辻和希(編)

一見役に立ちそうな研究ばかりを求められる今より、はるか昔に、農水省の大型予算を引っさげて、ミバエの基礎研究をして、尚且つ応用としても後世に語り継がれる研究をした伊藤嘉昭氏の逸話、人となりを弟子や生前関わりのあった人達がまとめた本。基礎研究ができないと文句ばかり言ってないで、うまく誤魔化してでも基礎研究をして、それで応用にも優れていることを見せつけないといけないんじゃないの、自分。と思う。

この本をきっかけに、日本における社会生物学論争とかND、今西進化論等々、イデオロギーを巻き込んでの議論に興味を持って、当時の科学雑誌のバックナンバー等を読んだけれど、なかなか面白かった。

社会生物学にはあまり興味がなかったけれど、WilsonのSociobiologyには個体間のコミュニケーションに関することとか、非常に示唆に富んだ記述があって興味深い。簡単に読み進められる本でないけど、少しずつ読んでいる。

バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎(著)

職場のKさんにお借りし、読んだ。前著、孤独なバッタが群れるとき以降のアフリカでの研究生活が書かれた本。前作を読まなくても面白い。

著者のブログ、砂漠のリアルムシキングの読者、待望の新作。

サザンオールスターズ 1978 – 1985 スージー鈴木(著)

目立ちたがりの芸人、サザンオールスターズがどのように、試行錯誤し、日本を代表するロックバンドに大成したかを考察した本。
何を隠そう、中学の科学部時代には部長の強権を発動し、部活の目標に「サザンを愛そう」という一文を加えたほどに(部員からも異論は無かった)、サザン好きの私だが、非常に面白かった。

サザンがコテコテのアメリカンロックで一発屋的にデビューした後、流行のシンセを取り入れたり、スタジオ主体の趣味音楽に傾倒したりしながら、最終的に下世話だけど確かな演奏技術を持ったバンドとして、商業的に評価されるポップスを提供していく様を著者の青春時代と重ね合わせながら論評していく。

研究の世界も、同じ手法で同じ対象だけを研究し続ける訳には行かない。やれ次世代シークエンサーだ、ゲノム編集だ。生物種によって出来る出来ないはあるけれど、新しい手法を取り入れたらどんなことが証明できるのか、一応考える。趣味的に追及していくのか、応用的に優れた研究をしていくのか、またはまだその分野に取り入れられていない手法を使って初めて研究するのか。戦略は難しい。

キレイゴトぬきの農業論 久松達央(著)

popeyeの特集号で農業の本が紹介されていることに驚いて、買って読んだ。
久松氏は、有機農業を営んでいる農家である。科学的立場に立脚して尚且つ、有機農業を営む道を選ぶというのは、あまり聞かない気がする。

奄美まるごと小百科―奄美をもっと楽しむ146項目 蔵満 逸司 (著)

奄美大島への出張を機に、Kくん(著者の息子さん)から借りて読む。奄美の暮らしが生き生きと記されていて面白い。紹介されていた古本屋、あまみ庵へ行けてよかった。離島にありながら、貴重な著書が沢山あってびっくり。

本の中で紹介されていた山羊汁を飲みたかったのだけど、時間とあと胃のキャパシティの問題で叶わなかった。あと、本とは関係ないけど、加計呂麻付近で売られていたソテツマンの人形が買えなかったことも心残り。

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